ビットコインは「数が限られるから上がる」?供給のしくみと価格チャートを見比べよう
ビットコインの話でよく出てくる「発行上限2,100万BTC」。数が限られていると聞くと、価値もずっと上がりそうに感じるかもしれません。でも、供給のルールと市場価格は、別のものです。
今回は、増え方のしくみを図で眺めたあと、実際の価格チャートへ。難しい用語を一度に覚えるより、「決まっていること」と「決まっていないこと」を分けてみましょう。購入や保有の報告ではありません。

「限られている」と「欲しい人が増える」は、分けて考えてみよう。
半減期で半分になるのは「新しく生まれる量」
ビットコインは、銀行など一つの中央管理者に依存せず、参加者のネットワークで取引を検証するしくみです。採掘(マイニング)では、取引をまとめたブロックに対して、新規発行分の報酬と取引手数料が与えられます。
新規発行分は、現在のルールで21万ブロックごとに半分になります。最初の50BTCから25、12.5、6.25、3.125BTCへ。この減少を繰り返し、総発行量が約2,100万BTCに近づく設計です。暦の「4年ごとの同じ日」に機械的に起きるものではありません。
図はBitcoin Coreの発行ルールをもとに当サイト作成。横軸はブロック高で、時系列の価格実績ではありません。新規発行分のみを示し、取引手数料は含みません。出典:Bitcoin Coreのメインネット設定、Bitcoin.org FAQ(2026年10月26日確認)。
半分になるのは、すでに持っているBTCの数量でも、市場価格でもありません。流通済みのビットコインが半減期に合わせて半分に減るわけでもありません。
半減するのは新しく生まれる量。お財布の中のBTCが半分になる話ではないんだね。
供給は予測しやすくても、価格は約束されていない
価格は、売りたい人と買いたい人の需給で変わります。発行量のルールが同じでも、買いたい人が減ったり、売りが増えたりすれば下がります。Bitcoin.orgのFAQも、価格は需給で決まり、価値を失う可能性があると説明しています。
下はBTC/USDの実際の価格推移です。上の整然とした報酬の棒グラフと、形がずいぶん違うはず。「供給の減り方が読める」ことを、「価格の進路が読める」ことに置き換えないのがポイントです。
COINBASE:BTCUSD chart by TradingView
最初は1年で大きな波を眺め、次に短い期間へ切り替えてみましょう。どこで買ったかによって見える結果が変わることも分かります。過去に戻った場面があっても、次の下落から必ず回復する保証にはなりません。
このチャートは米ドル建てです。日本円で見た価格にはドル円などの為替も関係し、国内取引所の提示価格とは一致しない場合があります。暗号資産全体の統一価格や、自分が必ず売買できる価格を表しているわけではありません。
株式とビットコイン、見るものはどう違う?
| 見る点 | 企業の株式 | ビットコイン |
|---|---|---|
| 保有するもの | 企業の持分 | ネットワーク上の暗号資産 |
| 調べる入口 | 事業、利益、財務、株価 | しくみ、利用・需給、保管、価格 |
| 受け取れるもの | 会社により配当など。保証なし | 保有だけで企業利益の配当は生じない |
| 主な確認事項 | 業績悪化、財務、割高感など | 急変動、秘密鍵・取引所、制度など |
ビットコインには企業の決算書に相当する「発行企業の利益」がありません。株式のPERのような指標をそのまま当てはめられず、発行上限だけで割安・割高を決めることもできません。
値下がり以外にも、保管と送付のリスクがある
Bitcoin.orgが注意しているのは、価格の変動だけではありません。ウォレットの管理を誤ると使えなくなるおそれがあり、送付を銀行振込のように取り消せるとは限りません。自分で秘密鍵を管理する場合と、取引所に預ける場合では、負うリスクの形も異なります。
日本でサービスを調べるなら、金融庁の暗号資産・電子決済手段の案内から、登録業者と注意情報へ進めます。登録があることは、価格や元本の保証を意味しません。手数料や税金は利用方法・制度で変わるため、古い比較表をうのみにせず、その時点の公式説明を確認しましょう。
値動きだけじゃなく、どこに、どう保管するかも大事なチェックポイント。
チャートに慣れる第一歩は、上がる理由探しより、表示されている通貨、期間、対象市場を確かめること。供給のしくみを知ったうえで、それでも残る値動きと管理のリスクを見ておきたいですね。
関連記事:オルカンの分散とリスクを考える / コカ・コーラ株を決算とチャートで読む
- Bitcoin.org FAQ(発行・価格・価値)
- Bitcoin.org「知っておくべきこと」(変動・ウォレット・送付)
- Bitcoin Core メインネット設定、報酬の計算
- 金融庁の暗号資産関連情報
資料・リンク確認日:2026年10月26日。発行ルールの説明は現在のプロトコルを前提としています。
一般的な学習用の情報で、購入を勧めるものではありません。価格の急変や資産を失うリスクがあります。吹き出しの人物はブログ用の架空のイラストです。